気管の軟骨が弱くなり、呼吸困難を引き起こす疾患
正常な気管 vs 虚脱した気管:正常気管から各Gradeへの進行を明確に図示。Grade I(25%虚脱)、Grade II(50%虚脱)、Grade III(75%虚脱)、Grade IV(90%以上の虚脱)の各段階で背側膜が腹側に押し込まれ、気管内腔が狭小化する様子を正確に表現、Grade IV(90%以上虚脱)まで、軟骨の弱化と背側膜の垂れ下がりにより気管内腔が段階的に狭窄していく様子を示します。
気管内腔が
25%減少
気管内腔が
50%減少
気管内腔が
75%減少
気管内腔が
ほぼ閉鎖
正確な診断が治療成功の鍵
特徴的なガチョウ様咳嗽の確認
吸気・呼気両相での撮影
動的な虚脱の評価(ゴールドスタンダード)
気管・気管支内腔の直接評価
気管虚脱の約50%で気管支虚脱を併発
CT検査が気管支虚脱の検出に有用
症状の重症度に応じた最適な治療法
軽度〜中等度の症例に適応
内科治療は症状の緩和が目的で、根治治療ではありません
内科治療が効果不十分な症例に適応
当院では最新のInfiniti Medical製ステントを使用
重度の気管虚脱
薬物療法が効果不十分
呼吸困難、失神など
Infiniti Medical製 自己拡張型ニチノールステント
安全な麻酔管理
リアルタイム画像診断
精密な配置
適切な拡張確認
Infiniti Medical製 高品質ニチノールステント
ステントは、つぶれてしまった気管や気管支を内側から支える医療機器です。細かい網目状の金属でできた筒状の構造をしており、狭くなった部分に留置することで呼吸の通り道を確保します。
イメージ
「つぶれかけたストロー」の中に、柔軟性のあるバネを入れて形を保つようなものです
網目状の構造により気管を優しくサポート
細く折りたたまれた状態から、体内で自然に広がる性質を持ちます。これにより低侵襲での留置が可能です。
体温で元の形に戻る性質があり、気管の動きに合わせて柔軟に対応します。
体に優しい金属で、長期間体内に留置しても安全性が高い材料です。
すべてのステントが職人の手作業で丁寧に作られています。一つひとつの製品が厳格な品質管理のもとで製造されています。
気管用: 8-18mm径
気管支用: 6-12mm径
各患者様の解剖学的特徴に合わせた最適なサイズを選択できます。
切開手術は不要です。内視鏡を使って口や鼻から挿入するため、体への負担が最小限に抑えられます。
海外文献では93%の退院率、呼吸症状の89%改善という優れた治療成績が報告されています。
ステント治療は、重度の気管虚脱や気管支虚脱で苦しむワンちゃんの呼吸を改善し、QOL(生活の質)を大きく向上させる可能性があります。従来の内科治療では管理が難しいケースでも、ステント留置により劇的な改善が期待できる場合があります。まずはご相談ください。
気管虚脱の約50%で気管支虚脱を併発
ステント留置の主なターゲット部位:赤色で示された左主気管支(LPB)と左後葉気管支(LB2)が最も虚脱しやすく、気管支ステント治療の主な対象となります。心臓(左心房)の拡大により圧迫を受けることもあります。
気管のみの治療では不十分な場合も
気管と気管支の両方を治療することで、完全な気道確保を実現。見逃された気管支虚脱による治療失敗を防ぎます。
気管支ステントの併用により、症状改善率が向上。再発リスクを低減し、長期的なQOL向上に貢献します。
CT検査と気管支鏡により気管支虚脱を正確に診断。エビデンスに基づいた最適な治療計画を立案します。
気管虚脱の診断から治療まで、段階的な検査プランをご用意しています。
症状や状況に応じて、必要な検査を選択いたします。
※初発の咳や診断がついていない呼吸器症状のある症例
吸気・呼気時のレントゲン検査(計三枚)
¥7,500
麻酔なしでの断層撮影検査
¥20,000
呼吸状態の評価
¥6,000
※初期検査で不明な場合や手術プランを立てる上での検査、長期で改善の見られない呼吸器疾患など
※麻酔下での検査(麻酔代・麻酔前検査含む)
麻酔下での詳細な断層撮影
¥50,000~
気管サイズ測定を含む動的評価
¥20,000
内視鏡による気道内の直接観察
¥20,000
感染症の確認と治療方針決定
¥15,000
※検査結果に基づき、適応がある場合に実施
ステント留置術(麻酔、画像診断、入院費含む)
¥650,000
~ ¥700,000
気管虚脱治療に関する疑問にお答えします
透視ガイド下で精密に行うため、安全性は高いです。当院では7症例全例で成功しており、文献データでも高い成功率が報告されています。
通常2〜3日間の入院が必要です。術後の経過が良好であれば早期退院も可能です。
首輪からハーネスへの変更、興奮を避ける、定期的な経過観察などが重要です。詳細は術後にご説明いたします。
再介入が必要になる場合は約40〜50%です。主な原因は肉芽形成やステント移動ですが、適切な管理で対応可能です。
術前のCT検査で気管支虚脱が確認された場合は推奨します。当院症例の57%で気管支ステントを併用し、良好な結果を得ています。
麻酔リスクを評価した上で、高齢犬でも治療可能です。むしろ症状が重い高齢犬こそ、QOL改善のメリットが大きいです。
初診から術後フォローまで
症状や経過をお伺いし、身体検査を行います。治療方針や費用について詳しくご説明いたします。
血液検査、X線、CT、気管支鏡などで、気管・気管支の状態を詳しく評価します。
検査結果をもとに、最適な治療法(気管ステントのみ、または気管支ステント併用)を提案します。
全身麻酔下で透視ガイドを用いてステントを留置します。手術時間は1〜2時間程度です。
2〜3日間の入院で、呼吸状態や合併症の有無を慎重に観察します。
退院後は定期的な経過観察を行います。1ヶ月後、3ヶ月後、その後は半年ごとの検査を推奨しています。
住所
〒277-0871
千葉県柏市若柴178-4
柏の葉キャンパス148街区2
電話
04-7137-1117
診療時間
平日:9:00-12:00 / 16:00-19:00
土日祝:9:00-12:00 / 14:00-17:00
担当医師
早田明 獣医師(インターベンショナル・ラジオロジー)
気管虚脱の治療に関するご相談は、お電話またはメールでお気軽にお問い合わせください。